1976年の米国株式市場は?

 勝者:ジミー・カーター(民主党)

 1976年の米国株式市場のパフォーマンスは、+19.1%でした。株式市場が好調だった理由は二つあります。まず1973年に第1次オイルショックがあり、1973年のS&P500株価指数が▲17.4%、1974年が▲29.7%と2年続きで酷い相場だった後を受け、1975年には大きな自律反発の相場があったことが指摘できます。1975年のS&P500株価指数は+31.5%でした。

 もう一つこの年の大イベントとして、株式委託手数料の自由化が発表されました。これにより手数料の値引き合戦が始まり、大衆が株式市場に押し寄せるという期待が生まれたのです。

 1976年1月の月次パフォーマンスが+11.8%と極めて良かった理由は、上に述べたような押せ押せムードの中で機関投資家の「パニック買い」が起きたからです。

 大統領選挙では民主党のジミー・カーターが勝利し、ウォーターゲート事件で辞任したリチャード・ニクソン大統領の後を受け、大統領に自動的に繰り上がった共和党のジェラルド・フォードは負けました。

 市場参加者は「1973~1974年の経済と株式市場の低迷は共和党のせいだ」と考え、政治の一新を求めたわけです。