新型肺炎影響は未反映でも日本10-12月期GDPはマイナス4%予測

 民間15社の10-12月期の日本のGDP予測は、世界経済の減速と消費増税の影響で、マイナス4%になるとの予測です。7-9月期GDPは+1.8%と4四半期連続のプラス成長でしたが、5四半期ぶりのマイナス成長に陥るとしています。これらは2月17日に公表予定ですが、まだ新型肺炎の影響は加味されていません。次の1-3月期はさらに悪化する懸念が強まってきます。 

 欧州経済も一時持ち直しましたが、10-12月期GDPは前年比+1.0%と前期から減速しました。

 ユーロ圏2~3位の大国フランス、イタリアがそろってマイナス成長となり、ユーロ圏GDPを約7年ぶりの低成長に押し下げました。

 ユーロ圏1位のドイツのGDPは2月14日発表予定ですが、ドイツ経済もマイナスとなれば、ユーロ、ユーロ/円が下落し、ドル/円の円高を後押しする可能性があります。先行きの欧州経済についても、まだ新型肺炎の影響は加味されていません。ドイツを中心に、自動車などの中国向け輸出が欧州経済を支えているため、大幅なユーロ安が進行するかもしれません。

 これらの状況を受けてIMF(国際通貨基金)のゲオルギエバ専務理事は、いちはやく新型肺炎について「世界景気に短期的な減速をもたらす可能性がある」との懸念を表明し、世界経済を支えるため「主要中央銀行には2020年中も金融緩和を維持するよう強く求める」と主張しました。