先週の結果
下値模索の大きな上下動を繰り返し、一時2万3,000円を割り込む
新型肺炎の感染拡大の程度にもよるものの、米国の景気は堅調なので、時には決算や経済指標に合わせて米国株式は上昇し、日本株式もツレ高する場面もありますが、いったん調整に入ると上下動を繰り返して、下値を探る展開になるのが普通です。
何か思惑が働いて先行き期待が上昇する場面になると、市場関係者ははやし立てますが、これに乗ることはバクチです。バクチですから勝つこともありますが、まだよく分からない新型肺炎を無視して手を出すことは避けたほうが良さそうです。もし、バクチする場合は、逃げ道(損切り)を決めてやることです。
1月27日(月):前週末の米国株式の新型肺炎への懸念から主要株価3指標が下落したことで、▲399円の2万3,427円で寄り付き、一時▲509円の2万3,317円まで下落しました。その後、▲363円の2万3,463円まで戻して下げ渋ったものの、戻りは限定的で大引けにかけて安値圏で推移し、▲483円の2万3,343円で引けました。
28日(火):27日の米国市場が日本を含めたアジア株安を受けて急落し、一時▲594ドルの2万8,440ドルまで下落。終値は▲453ドルの2万8,535ドルに。為替は108円台後半の円高となりましたが、すでに前日に日本株式は大きく下げていたので、▲228円の2万3,115円まで下げると下げ渋り、▲127円の2万3,215円で引けました。この日の証券会社各社のコメントを見ると、「ここから下は冷静に見ると買っていくところ」というものが見受けられました。
29日(水):28日の米国市場がアップルの好決算や経済指標の堅調さから反発したことで、日経平均も買われる場面となり、一時+176円の2万3,392円まで上昇し、+163円の2万3,379円で引けました。
30日(木):29日の米国市場はほぼ変わらずだったものの、日経平均は▲94円の2万3,284円で寄り付き。時間外での米国株先物が軟調な動きとなり、香港株式、台湾株式の下落を受けて、また、為替が108円台後半の円高傾向、さらに新型肺炎拡大が続いたことで日経平均は急落。一時2万2,892円まで下げて、終値は▲401円の2万2,977円と2万3,000円割れとなりました。
31日(金):30日の米国市場でNYダウは一時▲244ドルの2万8,489ドルまで下落するものの、WHO(世界保健機関)が「緊急事態宣言」を出したことや、さらに中国政府は新型肺炎の現状をコントロールしていると(中国側によった発言で疑問ですが)したことで警戒心が和らぎ、NYダウは+124ドルの2万8,859ドルと続伸。これを受けて日経平均は+171円の2万3,148円で寄り付き、+443円の2万3,421円まで上昇。その後、上げ幅を縮小して+227円の2万3,205円で引けました。何か思惑が絡んだ株式市場の動きでした。
新型肺炎の拡大により死者が200人超、感染者が1万人超となったことで、米政府は中国全土への渡航警戒レベルを最高レベルに引き上げたため、米航空3社は中国便の運休を決定。日本市場引け後の米国市場は世界経済への悪影響が強く意識され、▲603ドルの2万8,256ドルと急反落。下げ幅は昨年8月以来の大きさとなりました。為替は1ドル=108.35円と大幅な円高となり、シカゴの日経先物は▲420円の2万2,710円となりました。