新年に向けて注目したい海外ETFを選んでみた
11月13日時点の年初来騰落率で比較すると、日経平均(+16.5%)やTOPIX(+13.8%)を上回っている株価指数は世界で多くあります。例えば、米国のS&P500指数の年初来騰落率は+23.4%、ナスダック総合指数は+27.8%、ナスダック100指数は+30.5%となっています(13日)。
逆に言うと、米国市場を中心とする世界株式堅調を背景に外国人投資家のリスク許容度が改善。出遅れが顕著だった日本株の買戻し(外国人投資家は5週連続で現物株を買い越し)に繋がったとも言えます。
図表2では、多種多様な外国株式指数に連動を目指す海外ETF(米国市場に上場されている上場投信)のなかから、新年(2020年)に向けて注目したいファンドについて、取引価格の「年初来騰落率の降順」で一覧表にしました。
まずは、VGTやQQQなど米国のIT(情報技術)株価指数やナスダック100指数にほぼ連動するETFの年初来騰落率は30%超となっており好調であるすう勢が目立ちます。日本にいると見過ごしがちですが、米国の長期株高はIT革命の進展を主導する大手ハイテク銘柄の株高がけん引していることがわかります。こうした分野は、新年も変動を交えながらも堅調傾向を続ける可能性が高いと思います。
図表2:新年に注目したい海外ETF(参考情報)
海外ETF(米国上場)<年初来騰落率の降順>
# | ティッカー | ファンド 名称 |
投資 対象 (市場 指数) |
運用 総額 (百万 ドル) |
直近 価格 (ドル) |
年初 来 騰落 (%) |
実績 分配 利回 り (%) |
運用 経費 率 (年率) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | VGT | バンガードIT (情報技術) ETF |
米国上場の IT関連株 |
23,128 | 231.74 | 38.9 | 1.17 | 0.10 |
2 | QQQ | インベスコ QQQ トラスト・シリーズ1 |
NASDAQ 100 指数 |
82,507 | 201.59 | 30.7 | 0.77 | 0.20 |
3 | MOAT | ヴァンエック・ ベクトル・ ワイド・ モート |
世界の モート 企業群 |
3,041 | 53.34 | 29.6 | 1.38 | 0.48 |
4 | CXSE | ウィズダムツリー 中国株 ニューエコノミーファンド |
中国の 非政府系 企業 |
130 | 76.53 | 25.7 | 1.14 | 0.32 |
5 | PIO | インベスコ・ グローバル・ ウォーター |
世界の 水処理 関連株 |
194 | 29.00 | 25.6 | 1.43 | 0.75 |
6 | VOO | バンガード S&P500 ETF |
S&P500 指数 銘柄 |
123,974 | 283.93 | 23.5 | 1.91 | 0.03 |
7 | HACK | ピュアファンズ ISEサイバー・ セキュリティー |
世界サイバー セキュリティー 企業 |
1,534 | 41.04 | 21.8 | 0.12 | 0.60 |
8 | IBB | iシェアーズ NASDAQ バイオ テクノロジー |
NASDAQ バイオ テクノロジー |
6,980 | 110.58 | 14.7 | 0.14 | 0.47 |
9 | GLDM | SPDRゴールド ミニシェア トラスト |
金相場 | 1,105 | 14.61 | 14.0 | - | 0.18 |
10 | PFF | iシェアーズ 米国優先 株式 ETF |
米国優先 株式 |
16,809 | 37.26 | 8.9 | 5.62 | 0.47 |
年初来騰落率(平均) | 23.3 |
なお、米中貿易摩擦が緩和するに伴い、中国本土株式(A株)が復調傾向にある点にも注目です。特にCXSEは、国営企業を除く中国のニューエコノミー企業(非国営企業)群に分散投資をする米国籍ETFです。上位組入れ銘柄は、アリババ、テンセント、中国平安保険など総人口14億人とされる消費需要を基盤とする高い成長ポテンシャルを追求する大手企業群に分散投資するETFで、年初来騰落率は+25.7%となっています。
個別の外国株式に投資する場合、何を選別して良いか分からないことが多いと思います。個別銘柄への投資は銘柄特有のリスク(Residual Risk)が付きまといます。海外株ETFは海外市場全体(特定の外国株平均指数)の成長期待を反映するインデックスファンドであり、個別銘柄リスクを抑えながら海外市場の成長力を資産増加に結びつけることが可能と考えています。