今は良くても、将来は?
全米産業審議会(コンファレンスボード)が実施した雇用の景況感についてのアンケート調査によると、現状について「仕事が十分ある」の回答は前回よりも減少。先行きについては、6カ月後に今より仕事先が「増えると期待する」が減る一方で「少なくなっている」は増加。別の調査では、民間部門の雇用は約10年ぶりに減少に転じる可能性を指摘しています。
今はまだタイトな米雇用市場ですが、「伸びしろ」は残り少なくなっているようです。将来の仕事に対する不安は、消費者マインドの後退につながります。雇用者増加の鈍化がトレンドとしてはっきり表れてくるならば、これまで強気だったパウエルFRB議長も見解を変える必要に迫られそうです。
過去分の修正データにも注目
今回の雇用統計でも、速報値だけではなく改定値にも注目したいと思います。雇用の実態をより正確に表しているという意味では改定値の方が重要といえます。9月の改定値は半年ぶりに上方修正となりましたが今回はどうでしょうか。速報値では見逃された雇用市場の「衰退」のサインを見逃さないようにしたいと思います。