9月は相場一巡。今後は欧州リスクに注視

 米10年債金利は1.9%台へ上昇した後、再び1.6%台まで下落しました。ドル/円も108円台半ばでUターンし、107円台に下落しました。ドル/円の直近の動きは米長期金利との連動性が高かったことから、米長期金利が再び1.9%台へ上昇しない限り、ドル/円の108円台は重たくなるかもしれません。

 9月は結局、債券も為替も8月の動きを利食った動きであり、これは「往って来い」の相場となったことから、一巡した格好となりました。

 ドル/円は、8月初めに109円台から105円割れとなりましたが、その後は105~107円のレンジで推移していました。そして、9月に入ると、そのレンジが上方に動き、107~109円に入ろうとしましたが上値は重たそうです。

 10月は、このレンジが107~109円にとどまるのか、あるいは上値の重たさを引き継ぎ、106~108円に入るのかどうかを見極める月になりそうです。レンジを動かす要因としては、米中通商協議の行方と金融緩和の継続を左右する経済動向。そしてその経済動向は米中通商協議に影響を受けるという構図になっています。

 そしてもう一つの要因が、欧州リスクです。23日に発表されたドイツの9月総合PMI(購買担当者景気指数)は7年ぶりの50割れとなり、製造業は10年ぶりの低水準に落ち込みました。この結果を受けてドイツ、フランスの金融姿勢が変わるのでしょうか。欧州の景気減速はユーロ、ユーロ/円を一段安に追い込み、ドル/円の円高を後押しするかもしれません。

 また、Brexit(ブレグジット:英国のEU[欧州連合]離脱)もポンドの波乱要因です。いよいよ10月の期限が迫ってきます。ポンド/円が下落すれば、ドル/円の円高圧力となります。10月は欧州が熱くなりそうです。