9月は3大金融イベント続々

 そうは言っても、今月には最大の注目材料である日米欧の金融委員会があります。

 ECB(欧州中央銀行)の利下げや、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げはかなり織り込まれていますが、先行きの追加利下げについて踏み込んだ発言をすれば、ユーロ売り、あるいはドル売りに反応することが予想されます。

 従って、踏み込んだ発言をするのかどうか、金融政策の判断材料となる経済指標に注目が集まりそうです。しかし、直近の経済指標は強弱入り混じっているため、マーケットは惑わされる状況です。

 例えば、8月27日に発表されたドイツの4~6月期GDP(国内総生産)は、輸出が6年ぶりの落ち込みとなったことから▲0.1%となり、過去1年で2回目のマイナス成長となりました。欧州の景気悪化が、ついにドイツにまで及んできたのかと思わせる数字です。

 ところが、9月9日に発表された7月のドイツの輸出額は前年比3.8%増、中でも中国向けは9.7%増加しました。果たしてECB理事会はこの数字を、ユーロ圏経済を牽引(けんいん)するドイツ経済の復活の兆しと、捉えるのでしょうか。

 今週12日のECB理事会で利下げはするものの、その後は様子見と判断させる材料になるか、理事会後のドラギ総裁の記者会見に注目です。