今週の予想
今週は、戻りが終われば週末に向けて様子見へ
今週は、米中通商協議10月開催決定や香港リスクの後退、英国のEU(欧州連合)からの合意なき離脱の後退を受けてドルが買い戻され、米株に続き、日経平均株価も大幅上昇しました。しかし、この水準から上値は重くなり、目先は2万1,000~2万1,500円の上限抵抗ゾーンでのもみ合いとなる可能性があります。
今週末の13日(金)にはメジャーSQ(特別清算指数)、また今週末から来週にかけて、12日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の会見、18日(水)のFOMC(米連邦準備制度理事会)とパウエル議長の会見、19日(木)の日銀金融政策決定会合と黒田東彦総裁の会見という3大金融イベントがあり、目先の利益を確定する動きが出やすい状況となります。
イベント続きの中、米中協議を控えたトランプ米大統領の言動によって、協議の進展期待が広がり、英国と香港の政治不安が解消に向かえば、投資家の買いが膨らみ、上値を目指すことになります。2万1,000円を突破したことで上放れの見方も増えていますが、市場ボリュームや他の指標を見ると、日経平均の指数のみが上昇し(それも買い戻し中心)、本当の上放れは、7月25日の戻り高値である2万1,823円を終値で超えてからとなります。
この理由は、2018年12月25日の1万9,117円からのチャートを見ると、3月4日の2万1,860円、4月24日の2万2,362円、7月25日の2万1,823円と三尊天井を形成して、8月6日の2万110円まで下落。ここからの反発で、7月25日の2万1,823円と上に抜けると三尊天井の型が崩れ始めることになるからです。
今のところ下落する場合は、香港のデモや英国での政治混乱が長期化し、米中貿易摩擦が再び激化する事態となったとき、世界景気の減速懸念が拡大し、大きな調整となってきます。現在の投資は、そういうシナリオを念頭におく必要があり、投資する人は、上昇すれば確実に利益確定し、安くなったところを買うという繰り返しになります。