3.ダラー・ゼネラルの展望

 積極的に店舗数を拡大し、既存店売上高も29期連続で伸びている(2019年1月期時点)ダラー・ゼネラルですが、今後も持続的な業績の拡大に期待が持てます。

 ポイントとなるのは出店数と考えています。ダラー・ゼネラルとダラー・ツリーの合計店舗数は前述の通り3万951店舗ですが、米国のスーパーマーケットの店舗数は3万8,307店舗(2018年、出所:Food Marketing Institute)、コンビニエンスストアの店舗数は約15万店舗(2018年、出所:NACS/Nielsen-Convenience Industry Store Count)あり、ダラー・ストア業態の店舗数に飽和感は感じられません。

 既存の業態にはない「利便性」と「効率性」を打ち出すことができれば、新規開拓できる余地はあると考えらえます。

ダラー・ゼネラルの店舗数と既存店売上高増減率の推移
期間:2017年1月期2Q~2020年1月期2Q

単位:左軸…店舗、右軸…%
出所:ブルームバーグより楽天証券作成

 リスクは、米中貿易戦争の影響です。米国の小売企業は中国から製品を輸入していることが少なくありません。ダラー・ゼネラルも例外ではなく、中国から一部商品を購入しているため、追加関税措置の影響を受ける見込みです。

 会社側は、2020年1月期1Qの決算カンファレンスにおいて、仕入れコストの約6%が直接輸入品によるものであり、その主要国が中国であると述べています。

 ただ、2020年1月期2Qの決算カンファレンスでは、足元で輸入国の分散を図る取り組みをしていると述べています。この取り組みが軌道に乗れば影響は低く抑えられると考えられます。