この連載では、富裕層ならではの投資法や利益の増やし方などをご紹介してきました。1億円、2億円という景気のいい話を読むたび、「そんなに儲かるのは“富裕層ならでは”のエコヒイキが発生しているのでは?」という疑惑を抱く人がいても不思議ではありません。連載最終回となる今回は、皆さんの、富裕層が利益を増やせる疑問について、解明・回答していきましょう。

A 投資は平等、商品自体は同じです!ただし…

 富裕層向けといっても、特別に利回りやリターンが高い商品が存在しているわけではありません。一般の方々には内緒で、特別にリターンの良い、有利な商品を提案しているわけでもありません。

 銀行や証券会社では、富裕層も一般のお客様も同じ公募投資信託を販売しています。金融機関が公表しているデータを見ると、投資家本人が運用会社の直販を利用して購入しているケースの方が、全体的にはパフォーマンスが良いという指摘もあります。

 ただ、富裕層に提案されやすい商品はあります。流動性がやや劣るハイブリッド証券など、もともと流動性が低いため細かく分割して取引できない事情がある商品や、オーダーメイドで組成する仕組債の類、特定の少人数の方向けに組成する私募投資信託など、オーダーメイドで組成するコストや商品性の面から投資単位が大きくなってしまったりする商品がその例です。

 外資系金融機関などは、一般的な金融機関と違って、具体的な商品ラインナップをWEBやパンフレットで公開していません。「富裕層向けのお得な商品」、というのではなく、「一般向けではないので表に出していない商品」はあるのです。その秘密性が、金融機関のサービスや提案の期待値を上げているのです。

 しかし、これらは、投資妙味が高いから富裕層に特別に提案するのではありません。富裕層でなければ投資できない事情がある商品だからこそ、資金力の有無を選んで提案されるのです。しかも、裏を返せば流動性が低いなど、リターンに対して負うリスクも大きいという側面もあるのです。

A 情報量と速度は平等。ただし、情報の「深さ」には差があります

 昔ならば、証券会社の担当者が「ココだけの話、お客様にだけ、特別なご提案をお持ちしました」と耳打ちする、というようなこともあったようです。しかし、インターネットの普及に伴い、情報の格差はほとんどなくなりました。あらゆる商品が、誰でも簡単に少額から投資できる便利な時代です。そして、企業情報や、政治・経済・外交ニュースなどはまさに平等の一言に尽きます。

 しかし、一方で、証券会社や銀行、外資系金融機関に、富裕層向けに専門部署があることはご存知の通りです。そこには、世間に出回っている平等な情報をどう解釈するか、先をどう読むか、という手腕に突出したアナリストやアドバイザーもいます。富裕層の投資ニーズやタイミングに対して、きめ細かくオーダーメイドで対応したり、富裕層の要望に対して会社の在庫ストックにないものを探してくる担当者の存在が、提供される情報の深度を変えていきます。

 一般の方々と富裕層では、情報量と速度は平等です。しかし、高度な分析力で「投資戦略」に昇華された情報が提供される場に、富裕層がいることが多いのです。