アルバイトの代わりに株式投資を始めました――杉原

――杉原さんは23歳の時に投資を始めたと伺っています。ずいぶん若いときに始めていますが、きっかけはなんだったのですか。​

投資のきっかけは「食べるため」

杉原 私も出身は広島なのですが、19歳の時に芸能活動のため上京しました。それから3、4年過ぎても芸能活動だけでは食べていけなかったので、食べていくための手段として株式投資を始めました。

――なぜ、アルバイトではなく株式投資なのですか。

杉原 「明日オーディションがあります」「明日ここの現場へ行ってください」というようにスケジュールが前日に決まることが多かったので、出勤日が決まっているアルバイトができなかったのです。

 私が株式投資を始めた2005年はネット証券がはやりはじめたころで、ネット取引なら家にいながらパソコンや携帯電話で気軽にできるからです。副業として株式投資は最高だと思います。

――そうすると投資歴は14年と長いですね。順調でしたか。

杉原 いえいえ、私もリーマン・ショックを経験していますし、最近でも他国との問題などで日経平均株価が下がったりしています。

 それでも株価が上がり始めているな、というときに大きく仕込むので、年間を通して見ればプラスになっています。それでも何百万円も損をすることが14年間のうち、何回かありました。

――何百万円の損失というのは、一般の人の年収に相当する金額ですよね。メンタルはどうやって保つのですか。

杉原 芸能活動の中で、少々のことではへこたれないメンタルが鍛えられています(笑)。現実逃避ができる技も持っているんです。株式投資に限らず、嫌なものは見ない、考えない、というタイプなのです。

 リーマン・ショック級の出来事が起こっても、そのまま持ち続けていれば必ず戻ると信じているので、半年でも見ないで寝かせていて、戻ったときに見るようにしています。

値上がり銘柄を狙う「猛獣狩り」は現物株取引で――杉原

――お二人とも「底では耐えて投げ売りをしない」という方針は共通していますね。​

杉原 やめてしまったらそこで終わりになるので、しっかり耐えるメンタルが大切です。

桐谷 私が杉原さんと知り合ったのは5年前の書籍に関連した対談でした。株式投資が上手なアイドルさんで、株の利益で親の家を建てたと聞いて感心しました。それから何度かお仕事をご一緒したのですが、だいたい順調に利益を出していますね。

 しかも彼女は値上がりが期待できる銘柄を買う「猛獣狩り」なのです。私もかつては猛獣狩りに何度も挑戦したけれど、弾が外れて猛獣に襲われ、何度も死にかけた。

杉原 猛獣狩りができるのは現物株取引だからです。信用取引には決済の期限があるので、含み損を抱えたまま持ち続けるということができませんから。

 もちろん、信用取引の方が投資スタイルに合っている人もいるでしょう。私は現物株を買う身の丈投資を心がけています。

――杉原さんは株式投資の本を出版されました。どんな内容ですか。

杉原 「株は夢をかなえる道具」というタイトルです。

それは、株でお金を儲けることがゴールではなくて、利益を夢につなげて欲しい。
そのための道具として株式投資が役立つといいな、と思っています。
株式投資によって世界が広がった経験をしています。

 

後編・2019年オススメ銘柄に続く>>

杉原杏璃著「株は夢をかなえる道具」