iシェアーズ・コアS&P500 ETF

 iシェアーズ・コアS&P500 ETF(IVV)は一つ前の項で紹介したSPDR S&P500 ETFと同じく、S&P500指数をベンチマークとしています。運用会社はブラックロックです。

 同ETFは2000年5月から取引が開始されました。こちらの方が後発である関係で、知名度はSPDR S&P500 ETFほど高くありません。その商品性としては両者の差異はほとんどないと言えます。

 ただ、iシェアーズ・コアS&P500 ETFの方が出来高が少ないです。それでも毎日300万株以上出来ているので、第2章で説明したようにトレードがまばらすぎて、NAVとETF価格との間での乖離が広すぎるという問題は発生しません。実際、iシェアーズ・コアS&P500 ETFの平均プレミアム・ディスカウントは0.00%です。

 iシェアーズ・コアS&P500 ETF のPERは20.8倍、PBRは3.3倍、配当利回りは1.9%です(ブラックロック、2019年8月14日現在)。

 強いて言えば、iシェアーズ・コアS&P500 ETFはエクスペンス・レシオが0.04%と低いため、長期で保有する投資家にはこちらの方がわずかに有利と言えます。

バンガード・トータル・ストック・マーケットETF

 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)は、CRSP USトータル・マーケット指数をなぞるように設計されています。もっと分かりやすい言い方をすれば、米国株全体の動きをフォローするように設計されています。その関係で組み入れ銘柄数は3,606銘柄にも上ります。

 バンガード・トータル・ストック・マーケットETFのPERは20.3倍、PBRは2.9倍です(バンガード、2019年7月31日現在)。

 運用会社はバンガードで、同ETFのエクスペンス・レシオは0.03%です。みなさんがじっくり考えて、丹念に自分の投資目的を具現化するETFのポートフォリオを組む際、バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは考慮するに値するETFです。なぜならこれ一つで米国株を網羅できるからです。また費用比率が極めて低い点も長期保有に向いています。