3:米国の投信税制の不利益を受けない

 ETFのもう一つの優位性は、米国の投信税制の不利益を受けない点にあります。

 いまファンドがその中に組み入れられている銘柄を売却した場合、それが利益になればキャピタルゲイン課税の対象になります。これはインデックスファンドの場合でも例外ではありません。

 (でも自分がインデックスファンドを解約するまでは、銘柄は売却しないだろう?)

 投資家は、そう考えがちです。

 しかし、この理解は正しくありません。自分とは何の関係もない他の投資家が、インデックスファンドを解約して現金を引き出せば、運用会社は解約に応じるためのキャッシュをこしらえるべく、ファンドで保有している株式の一部を売らなければいけないのです。

 もし、そのときにキャピタルゲイン(売買差益)が発生したら、売らずにずっとファンドを持ち続けた投資家も、キャピタルゲイン税を払わないといけないのです。つまり、キャピタルゲイン税を払うことは、そのファンドに投資しているメンバー全員の責任になるのです。

 これに対してETFは税法上、株式と同じ扱いを受けます。つまり、自分がそのETFを売却しない限り、キャピタルゲインは発生しないのです。