日経平均は下落も、「節目」で反発
連休明けで4営業日となった先週の国内株市場ですが、週末8月16日(金)の日経平均は2万418円で取引を終えました。週足ベースでも3週連続の下落です。
先週の相場環境を振り返ると、国内外の景気減速懸念のくすぶりに加え、9月に予定されている米中の閣僚級協議が見送られるのではないかと報じられたり、米国の長短金利の逆転現象(逆イールド)が起こったり、香港の抗議活動の影響で国際空港が一時閉鎖状態となるなど、悪材料が相次ぎました。
こうしたムードの中で、日経平均の前週末終値(2万684円)からの下げ幅は266円だったわけですが、先週の米NYダウが前日比で800ドル安を見せる動きがあったことを踏まえると、日本株は下落しているものの、意外にも底堅い一面ものぞかせています。
また、先週末の先物取引市場でも、大阪取引所の終値が2万570円、CME(シカゴ)で2万580円となっているため、今週の取引は株価の戻りを試すようなスタートが予想されますが、まずはいつもの通り、足元の状況から確認していきます。
■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年8月16日取引終了時点)
ローソク足の並びで先週の日経平均の動きを振り返ってみると、13日(火)の週初の取引は「窓」空けによる一段安で始まったかと思えば、翌14日(水)には同じく「窓」空けで反発に転じ、さらに、週末の15日(木)~16日(金)にかけても再度「窓」空けの一段安といった具合に、株価がフラフラと落ち着かない印象となっています。
また、移動平均線に視点を移すと、25日移動平均線が75日移動平均線を下抜ける「デッド・クロス」になっていることが分かります。
とはいえ、「窓」空けで下落した、13日(火)・15日(木)・16日(金)の3本のローソク足はいずれも陽線(始値<終値)となっており、「取引が安く始まったものの、引けにかけて買い戻された」ことを意味します。
そこで、始値の株価に注目してみると、16日(金)が2万323円、15日(木)が2万324円、8月6日が2万325円、少しさかのぼった6月3日が2万327円と直近の安値圏における始値がほぼ同じ水準にあることが分かります。安値圏でのローソク足に陽線が多いことにより、「意識されやすい節目」まで下落したら反発狙いの買いが入るというパターンになっている可能性があり、実際の株価も反発しています。