中長期的には下方向への意識が強い

 直近の50%押しについては、どちらかというと2015年の動きに似ている印象ですので、再び50%押しラインを下抜けた際には注意が必要です。そこで、下の図4でもう少し詳しく見ていきます。

■(図4)日経平均(週足)の動き その2(2019年8月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 これまで、日経平均の中長期トレンドは、2016年春先の「トリプルボトム」が崩れて「ダブルボトム」が形成され、上昇トレンドラインをたどってきましたが、昨年(2018年)につけた2回の2万4,000円台乗せによる「ダブルトップ」となり、次の展開を探るべく現在に至っています。

 これに、図3の「上昇幅に対する押し目ライン」を重ね合わせてみると、上昇幅の50%押しのところで株価は反発し、23.6%押しのラインまで戻していたことが分かります。ただし、その後はなかなか23.6%押しラインを超えることができず、レンジ相場もしくは三角もちあい相場が形成されつつあります。となると、23.6%ライン乗せが上昇トレンド入りの必要条件となるのですが、2万2,186円の株価水準ですので、ここを上抜けて株価を伸ばすのは余程の好材料がない限り厳しいと思われます。残念ながら現時点の判断では中長期的な日経平均は下方向への意識が優位と言えそうです。

 もちろん、目先の安値近辺で買いが入るパターンを続けており、短期的な反発狙いは投資戦略として有効ではありますが、戻りの勢いにあまり期待できず利益を深追いしにくいことや、この「株価反発の方程式」が崩れた時のことを考えると、積極的になりづらい状況です。

 今週は米中韓の外相会談が北京で行われる他、日米の閣僚級の通商協議も始まります。また、米国ではカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム、いわゆる「ジャクソンホール会議」も予定され、さらには、米中首脳の電話会談も行われる見込みとなっています。ガラリとムードが変わりかねない外部環境を無視することはできないため、結果的に株式市場はもみあいを続けざるを得ないというのがメインシナリオになりそうです。