先週、米中対立は一段とエスカレート

 米中の対立は、緩和する兆しが全くなく、エスカレートする一方です。中国は、人民元レート(対米ドル)の下落を容認することで、米国の関税引き上げに対抗する構えを見せています。先週は、以下の通り、米中がさらに硬化し、報復の応酬となっています。

【1】8月5日、米国は中国を「為替操作国」に指定
 さらなる報復措置を行う準備ととれます。

【2】8月5日、中国は米国からの農産物の輸入停止
 中国は、国営企業に対し、米国からの農産物輸入を停止するように要請しました。対中制裁第4弾に対する報復と考えられます。米中歩み寄りの余地がなくなりつつあります。

【3】8月9日、トランプ大統領はファーウェイと取引しないと強調
 中国の通信機器大手ファーウェイへの制裁緩和から制裁解除へ進む期待が出ていましたが、トランプ大統領が改めてファーウェイへの制裁継続を表明。禁輸長期化の可能性が高まりました。

【4】8月9日、トランプ大統領は9月上旬ワシントンでの米中閣僚協議中止を示唆
 2020年大統領選挙を控えるトランプ大統領は、年内に何らかの合意を模索すると考えられていましたが、年内合意は難しくなってきました。米中とも、長期戦を意識しつつあると考えられます。