NYダウ平均株価が下落し、世界株安が広がっています。日経平均株価は、2万円を割る可能性もありますが、長期的に見れば、3万円に向かうという見解を示す専門家もいます。一方で過去のデータから推測すると、さらに下落し1万円割れとなってもおかしくありません。先行きが見えない中、どのように対応すればよいでしょうか。

今の日本株は「平常モード」

 日本株は、個別銘柄の動きを見る限り、2018年前半をピークに、下落に転じているものが目立つというのが筆者の実感です。ただし、まだまだ上昇トレンドが続く強い銘柄も多いです。

 このように、今の日本株は、銘柄によって値動きはバラバラではあるものの、全体で見ればここしばらくは横ばいでとどまるとの見方が当てはまります。

 上がる株も下がる株もあるため、なかなか大きな利益を上げることは難しい環境ですが、かといってどんどん損失が積み上がるような状況でもない、どっちつかずの状況です。これは今の日本株が「平常モード」にあることの表れです。

株価の動きには「平常モード」と「非常事態モード」がある

 筆者は、株価の動きには「平常モード」と「非常事態モード」があると思っています。平常モードとは、株価が上昇している、もしくは横ばい、あるいは株価が下がっているもののその勢いはゆるやかである、という状況です。

 一方の非常事態モードとは、株価が短期間で大きく値下がりするような状況です。2008年のリーマン・ショックのときや、2000年のITバブル崩壊後の下落、1990年のバブル崩壊後の下落などです。近年では2016年初頭のいわゆるチャイナ・ショックも、非常事態モードに近い状況だったといえます。

 平常モードでは、多少リスクの高い行動をしても、相場環境が良好なため、致命的な失敗にはつながりません。例えば、株価が値下がりしても我慢して持ち続けていれば回復することも多く、株価下落時に買い向かっても、その後株価が上昇して利益を得ることもできます。

 しかし、ひとたび非常事態モードに突入すると、そうした行動が命取りとなりかねません。値下がりを続ける株を持ち続けたり、値下がりしている途中で買い向かったり、ナンピン買いとさらなる株価下落などで、非常に大きな損失を被る可能性が高くなります。