7月の改定は主要国を下方修正し、米国は上方修正

 今回のIMFの改定では、他の主要国が下方修正されたのに対し、米国が大きく上方修正されています。2.3%から2.6%への予測引き上げの背景は、米国1-3月期のGDPが3.1%に上振れしたためとIMFは説明しています。もし、IMFの予測通りになれば、7月の利下げで打ち止めとのシナリオも浮上してきます。

 確かに米国の景気拡大局面は7月で11年目に突入し、比較可能な1850年代以降で最長となりました。また、失業率も一時3.6%と49年ぶりの水準に下がっており、株価は市場最高値に近い水準にあります。

 このような経済環境の中で、今週のFOMC(米連邦公開市場委員会)では「予防的」と称して利下げが見込まれています。しかし、もし先行きの継続的な緩和姿勢が示されなければ、金利もドルも反転(金利上昇、ドル高)する可能性があるため注意する必要があります。

 しかし、IMFは米国を上方修正しましたが、厳しい見方もしています。米国1-3月期のGDPの上振れの要因は輸入減や在庫増であるため、2019年末に向けて景気の勢いは弱まると指摘。そして2020年の成長を1.9%に減速すると予測しています。

 米国の景気の勢いは弱まるのでしょうか。そうだとすれば、どの時点で弱まってくるのでしょうか。弱まれば、利下げ継続との期待が高まります。弱まる時期が前倒しになれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ回数は増えることが予想されます。後倒しになれば追加利下げは遠のくということになります。