今週の注目材料:FOMCでの利下げ

 今週の注目材料は、30~31日に実際される、米国の金融政策を決めるFOMC(公開市場委員会)です。0.25%の利下げ(FF金利誘導水準の0.25%引き下げ)が実施されるのはほぼ確実です。

 注目点は、利下げ後にFRBが出すメッセージです。年内さらなる利下げが見込まれるのか、そこに市場の注目点が集まっています。

 金融市場は既に、年内数回の利下げが行われることまで織り込んでいます。利下げが2~3回はあることを織り込んで、米国の長短金利は、以下の通り、逆転したままです。

米長期金利(10年国債利回り)とFF金利(短期金利)の推移:2004年1月~2019年7月(26日)

注:楽天証券経済研究所が作成

 ただし、FRBは7月に実施する予定の利下げを「予防的利下げ」と位置づけています。米景気が悪化しているために利下げするのではなく、世界的に景気が不安定になっているので予防的に利下げをするというものです。実際、先週発表された米4-6月期GDP(速報値)は、前期比年率2.1%増で、米景気の堅調さを示しました。

 したがって、利下げ実施後に、米FRB からハト派(利下げに積極的)メッセージは出ないかもしれません。そうなると、年内数回の利下げを織り込んだ、前のめりの利下げ期待で動いてきた米国株式市場には肩すかしとなる可能性もあります。利下げ後にNYダウが反落するリスクに注意が必要です。

 ただし、さらなる利下げリスクが肩すかしとなれば、円高圧力は低下します。為替は円安にふれやすくなります。日本株にとって、NYダウが下がればマイナスですが、円高圧力が低下すればプラス材料となります。

日本株は買い場の判断を継続

 結論は、毎週述べていることと、変わりません。不安材料はたくさんありますが、今の日本株は、2019年の世界景気悪化を織り込む最終局面で、2020年の景気回復を織り込む初期段階と判断しています。
 日本株は「買い場」の判断を継続します。

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