株式投資の銘柄選択で気を付けたいポイントの1つが「売買高」。軽視されているようですが、結構重要な要素です。

 皆さんは、銘柄選択をするとき、売買高を意識していますか?
 売買高とは、実際に売り買いが成立した株数のことです。1日の売買高が10万株であれば、その日に合計で10万株を買った人と10万株を売った人が存在することになります。「売買高」は「出来高」と言われます。

 意味は分かっているという人も、銘柄選択のとき気にしていないようですが、実はこの売買高がかなり重要な要素になります。ポイントは「流動性」です。

売買高と流動性との密接な関係

 流動性とは、買いたいときにすぐ買うことができる、売りたいときにすぐ売ることができるという「売買のしやすさ」とか「換金のしやすさ」のことです。
 例えば不動産であれば、買いたい、売りたいと思ってもすぐには成立しません。かなりの時間を要することとなります。

 でも上場株式であれば、証券取引所が開いている時間に注文を出せば、すぐに売買できます。
 したがって、上場株式は流動性がかなり高いというメリットがあります。

 ただし、上場株式の中でも、流動性が高いものと低いものがあります。それを表すのが「売買高」なのです。
 売買高が多ければ多いほど流動性が高く、少ないほど流動性が低いということになります。

流動性リスクとは何か?

 例えば、1日の売買高が1,000万株あるA社株と、1,000株しかないB社株があります。A社、B社とも、今の株価は1,000円です。

A社は売買高が非常に多く、売買の注文もたくさん入っています
成行で買い注文を出せば1,000円か1,001円で買え、成行で売り注文を出しても1,000円か999円で売れるはずです。

B社は、売買の注文はあまり入っていません
成行で買い注文を出すと1,050円で買えてしまったり、成行で売り注文を出すと950円でないと売れなかったりします。
 もしかしたら、売買の注文自体が入っておらず、買いたくても買えない、売りたくても売れない…という可能性すらあります。

 このように、今ついている株価に近い株価で売買できない、場合によっては売買自体ができない可能性が「流動性リスク」です。