自社株買いのメリット、おおまかな計算方法は?
自社株買いを発表する企業が増えています。発表された自社株買いが、株主にどのくらいのメリットがあるか、おおよその見当をつける方法を、お教えします。
発表された自社株買いが、すべて実行されるとした場合、発行済株式数が何%減るのか、見ると良いです。
具体例を見てみましょう。以下は、自社株買いの常連、NTTドコモが2019年4月26日に発表した自社株買いの概要です。
(1)取得対象の株式の種類:自社の普通株式
(2)取得し得る株式の総数:1億2,830万株(上限)※発行済株式総数に対する割合3.85%
(3)株式の取得価額の総額:3,000億円(上限)
(4)取得期間:2019年5月7日から2020年4月30日
(5)取得方法:東京証券取引所における市場買付
ここで一番注目したいのは、赤で表示した「発行済株式総数に対する割合」です。3.85%となっています。上限株数を買い付けると、発行済株式総数が、3.85%減少します。ということは、1株当たり利益が、おおむね3.85%増えるわけです。
つまり、PER(株価収益率)などの株価評価が変わらなければ、自社株買いで、1株当たり利益が3.85%増加し、株価が3.85%程度、上がると期待できるわけです。
厳密に計算すると、もう少し異なる結果となりますが、ざっくりしたメリットの把握としては、上記でオーケーです。
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