7月に入り、金相場は国外、国内ともに騰勢を強め、記録的な高値圏で推移しています。金相場の価格推移を説明するには“有事”“代替通貨”など、重要な伝統的キーワードが必要ですが、現在は、それらが複合的に絡み、金相場に影響している点に注意すべきです。今回は、金相場の材料を俯瞰し、今後を展望します。
国外は1,400ドル達成、国内は5,000円の節目接近。金相場は記録的な高値圏で推移
7月2日、国際的な金価格の指標の1つであるNYの金先物価格(期近)は、1トロイオンスあたりおよそ5年9カ月ぶりとなる1,430ドル台をつけました。東京の先物市場でも7月12日におよそ6年3カ月ぶりとなる1グラムあたり4,927円台をつけました(いずれも日足の終値ベース)。
足元、金相場が騰勢を強めているのは、おおまかに言えば、以下の2点によるものと考えられます。
【1】中東情勢の悪化
【2】米中貿易戦争の激化
この2点が生じた原因、そしてどのような経路でこれらが金相場に影響しているのかを考えます。