「不足金」の解消期限も短縮。追証のルールは変わるの?

 次に不足金についてです。含み損の発生している信用建玉(たてぎょく)を返済すると損失額が確定し、「受渡日に委託保証金内の現金からその金額が差し引かれる」ことになりますが、返済の受渡日に充当できる現金が足りないときに発生するのが不足金です。

 これまでの不足金の解消期限は、返済の約定日から数えて4営業日目(T+3)だったのですが、今後は3営業日目(T+2)に変更されます。ですので、不足金を解消するために現物株を売却した現金を使うためには、従来と変わらず、「建玉の返済と同じ日に売却」を行う必要があります。含み損のある建玉を返済する際は、あらかじめ現金余力をチェックしておくことが大切です。

 そして、最後に追証(おいしょう)についても見ていきます。追証とは「追加保証金」の略で、建玉総額に対する委託保証金の比率(委託保証金維持率)が一定水準以下になると発生します。楽天証券では、追証を判定する委託保証金維持率を原則20%に定めています。

 追証が発生すると、維持率を回復させることが求められますが、具体的には必要な金額を入金するか、返済によって建玉総額を減らす、もしくは保護預かりにしている株式や投信を信用取引の担保に振り替えるなどによって追証を解消させます。

 追証の解消期限は建玉の状況や証券会社によって異なりますが、今回の受渡日短縮に伴い、楽天証券では「追証発生日の翌々営業日(T+2)の12:00まで」に変更となります。これまでの期限が「追証発生日の翌々営業日(T+2)の15:30まで」でしたので、時間帯は早まったものの、期日そのものはT+2のままです。