売買代金ランキング(5銘柄)

1 HEROZ(4382・東証マザーズ)

 想像絶する勢いで6月は人気化しました。“初値いきなりテンバガー”を達成したのが昨年4月。株式分割を考慮した初値は2万4,500円ですが、6月高値は2万460円ですから、1年強かけて相当なリカバリーを果たしたといえます(昨年12月に付けた上場来安値は6,005円)。

 そもそも上昇基調にあった株価にエンジンを噴かせるきっかけになったのが、12日に発表した本決算でした。注目される期初ガイダンス(今20年4月期予想)は、売上高が前期比18%増の16.3億円、営業利益が同24%増の5.2億円。これといったコンセンサスは無い銘柄ですが、二桁増収増益の見通しを出したことを株式市場は非常に好感します。6月末時点の予想PER(株価収益率)は約360倍、予想PSR(株価売上高倍率)は約78倍。日本株全体に対するバリュエーション評価は超シビアな日本株市場ですが、HEROZには激甘設定で…。

2 インパクト(6067・東証マザーズ)

 インドでコンビニエンスストア(以下コンビニ)事業を展開すると6日に発表。2027年には人口で中国を抜くと見られるインド…ここでのコンビニ事業参入発表は株価への“インパクト”も絶大でした。この発表直後の10日、同社の福井社長が大量保有報告で、保有する自社株の大量売却(保有割合32.65%→22.75%)が発覚。まさかの社長の利食い売りのネガティブ“インパクト”も大きかったわけですが、月後半にかけて株価は再浮上する場面も。  

 ちなみに、旧社名はメディアフラッグ。今年4月に商号変更したばかりですが、社名の由来は「売場に“インパクト”を与え続けていく企業であり続けるという意志を込めて」いるそうです。売場と言いますか、“売り場”に?

3 メルカリ(4385・東証マザーズ)

 5月下旬にMSCIの日本スタンダード標準指数に新規採用され、リバランスの買い需要が発生したメルカリ株。「指数に採用されたから買わないといけない人による買い」が一巡し、平常モードに戻った6月は軟調でした。

 特段の材料はなかった月でしたが、月末28日、IT大手のヤフーが今秋にフリマアプリ「PayPayフリマ」を立ち上げると発表しています。ヤフーの本格参戦によるシェア低下懸念、これが今後の株価にとって重石になりそうです。

4 マクドナルド(2702・ジャスダック)

 例年「6月&12月」に出来高が急増する銘柄。日本屈指の株主優待人気株ですので、優待狙いのクロス取引(現物買い/信用売り)で6月は売買代金上位に入っただけでしょう。毎月発表している既存店売上高も5月分まで42カ月連続プラスと好調ですが、業績を見ながら売買している投資家はほぼ皆無でしょう。

 6月は東証1部もマザーズも流動性が低下し、株式市場の人通りが激減した印象を持たれたと思います。ただ、ことマクドナルドの優待クロスでいえば、昨年6月や12月並みに行われていました。難易度が高過ぎるトレードをやる人は確実に減っていますが、優待クロス人口が減ってなさそうなのは、せめてもの救い!?

5 リボミック(4591・東証マザーズ)

 6月初旬に、独立系の運用会社ウィズ・パートナーズが大量保有報告で保有割合引き上げを公表(18.52%→20.36%)。その後、定時株主総会の招待通知で、そーせいの大株主として有名な著名個人投資家もリボミックの大株主になっていたことが判明。“勝ち馬に乗る”という意味でのアナウンスメント効果は絶大で、個人投資家の提灯買いが集まりました。