米中首脳会談を好感して世界株高。NYダウは最高値

 先週(7月1~5日)の日経平均株価は1週間で470円上昇し、2万1,746円となりました。6月末の大阪サミットで実施された米中首脳会談で、米中対立が緩和する期待が生じたことを受け世界的に株高となる中、日経平均先物にも外国人投資家と見られる買いが入り、上昇しました。

NYダウ・日経平均・上海総合株価指数の動き比較:2017年末~2019年7月5日

注:2017年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 米中首脳会談で、好感されたのは以下3点です。

【1】米中が貿易協議の再開で合意
【2】米国が、対中国の追加関税を発動しないと決定
【3】トランプ大統領が記者会見で中国通信大手ファーウェイへの禁輸解除に言及


 ファーウェイ制裁解除には、その後米国議会で与野党から異論が出ました。その結果、ファーウェイへの制裁解除は限定的な内容に留まりました。一部汎用品の輸出のみ許容する内容です。懸案事項は手付かずで、米中貿易協議が再開されても難航が予想されます。

 ただし、先週の株式市場は、米中休戦の芽が出たことを素直に好感した形です。これ以上、対立がエスカレートすると米景気まで悪化する不安がありました。ぎりぎりのタイミングで対立激化を回避できたことが、好感されました。

 米国の主要株価指数(NYダウ・S&P500・ナスダック総合指数)は、7月3日にそろって史上最高値を更新。米中対立緩和の期待に加えて、7月30~31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが見込まれることも、米国株が上昇する要因となりました。
 それでは、ここで、2018年以降の日経平均株価の動きを簡単に振り返ります。