「人生100年」とすると、老後は35年も!

 皆様に質問です。自分は何歳で退職したいと思っていますか? また、何歳までの人生を想定していらっしゃいますか? フィデリティ退職・投資教育研究所が2017年8月に行った、50~69歳の男女1万2,583人に行ったアンケート調査によると、現在、現役で働いている世代は「平均65歳」で退職を希望し、「80歳代前半まで」の人生を想定している、という結果となりました。

 しかし現実は、男性の退職者の平均年齢は「59歳」で、60歳の男性の20%が「96歳まで」生きる時代となっています。 「人生100年」という言葉をよく耳にするようになり、日本は世界一高齢化が進んでいる国と言えます。「人生100年」とすると、退職後の生活が「35年」になります。「理想」は退職後の生活は20年で、「現実」は35年、そこに開きが15年あるということです。

 この15年間に必要な生活費は、十分に用意できるでしょうか?同アンケートによると、公的年金以外に必要な資金は、年間229万円という結果で、35年以上の生活を支えられる資産を持つ人は、全体のわずか2.2%という結果になりました。不足分をカバーするためには退職後も勤労収入に頼るか、食費などを上手に節約していくか、選択肢は多くありません。そこで私がお伝えしたいのは、退職後35年もあるのだから、その時間の中で「使いながら運用をする期間を作る」という考え方です。

「運用なんて、もう高齢だし手遅れ」とあきらめるのか、それとも、「60歳でも95歳まで生きるとしたらあと35年もある」と思って運用を検討してみるのか。「理想」ではなく「現実」を見据えて今一度考えてみてほしいのです。