毎週金曜日夕方掲載
本レポートに掲載した銘柄
1.将棋用AIから建築、金融、エンタテインメントなどに展開中
HEROZは日本を代表するAI(人工知能)開発会社の1社です。
AI開発に特化しており、ビッグデータ分析は手掛けていません。一からAIのアルゴリズム開発が出来る会社は、日本では上場会社ではHIROZ、PKSHA Technology、ALBERT、NTTグループ(NTTデータ)、未上場会社では、プリファードネットワークス、アベジャなど10社に満たないと言われています。
HIROZはこの中で、世界で最初にプロ棋士を負かした将棋用AI「ポナンザ」を開発した企業として知られています。そしてこのポナンザで培った技術をベースに開発したAI「HEROZ Kishin(棋神)」を建築、金融、エンタテインメント、その他の分野に応用しています。
(2019年5月31日付け楽天証券投資WEEKLY「特集:AI関連企業の2019年1-3月期決算(ALBERT、PKSHA Technology)」も参照してください。)
2.2019年4月期は19%増収、19%営業増益
HEROZの2019年4月期は売上高13億7,700万円(前年比19.2%増)、営業利益4億2,000万円(同18.7%増)となりました。
売上高の約60%を占める「将棋ウォーズ」を中心とするスマホゲーム(BtoC)は2018年4月期に一部のゲーム配信を停止したため約10%減となりましたが、売上高の約40%を占める建築、金融、エンタテインメントなどの産業向けAI開発(BtoB)は前年比2.2倍となり、全体の業績をけん引しました。
営業利益は前年比18.7%増と低い伸びとなりましたが、これは主に広告宣伝費、外注費、採用、GPUサーバーへの投資などが増加したためです。
また、前4Q(2019年2-4月期)は、売上高3億3,600万円(2018年4月期は四半期決算を行っていないため前年比はない)、営業利益4,500万円となりました。前1~3Qは各々1億円以上の営業利益が出ていましたが、前4Qの営業利益は低水準でした。これは、広告費、外注費などが増えたことによります。