「ロボアドバイザー」という言葉を聞いたことがありますか? 最近では、有名俳優を起用したテレビCMも流されており、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。

「ロボアドバイザー」とは、ネットを通じた資産運用のサービスです。日本では、少しずつ知られるようになってきましたが、まだまだ認知度が低いと言わざるを得ません。しかし、将来は、長期的に資産形成をする手段として育つ可能性があります。

 筆者は、楽天証券が提供するロボアドバイザー「楽ラップ」の投資責任者です。実際に運用及びサービス提供に携わってきた経験から、ロボアドバイザーについて、これから連載で書いていきたいと思います。

ロボアドバイザーとは

 ロボアドバイザーとは、米国発祥の資産運用サービスで、簡単に説明すると、インターネットを利用したオンラインの「投資顧問サービス(投資一任サービス)」、もっと詳しく言いますとオンラインの「ラップ口座」です。

 米国では、「顧客にポートフォリオ(※投資対象の資産や銘柄の組み合わせ)を提案し、さらに実際に顧客資金を預かり、運用までするサービス」をロボアドバイザーと呼ぶようですが、日本では、「運用はせず、ポートフォリオ(投資対象商品の組み合わせと配分)を提案するだけのサービス」でもロボアドバイザーという言葉が使われており、定義が曖昧になっています。

 ただ筆者は、日本でもテレビCM等の影響により、米国と同様に「運用までやるのがロボアドバイザー」というイメージが世間的に徐々に受け入れられていくと考えております。
 ここでは、ポートフォリオの提案に加え、運用まで行なうものが、ロボアドバイザーという本家米国の考え方に従い、書いていきます。