投資顧問サービスには、「投資一任」と「投資助言」の二種類がある

 ロボアドバイザーは、オンラインの投資顧問サービスですから、まずは投資顧問サービスについて説明します。
 投資顧問サービスには、「投資一任」と「投資助言」という二種類のサービスがあります。

「投資一任」は、投資顧問会社が運用の方法、取れるリスクの程度、目標とするリターンの水準についてあらかじめ顧客との間で取り決めを行い、その取り決めに基づき、顧客の代理人として運用する権限を委任された投資顧問会社が運用を行なうサービスです。

「投資助言」は、投資顧問会社が顧客に対し、投資についてのアドバイスを提供するサービスです。
 ロボアドバイザーは、上記のうち、「投資一任」にあたります。

投資一任のサービスって、どんなもの?

 投資一任のサービスの流れは、具体的には、以下のとおりです。
 投資顧問会社(証券会社など)は、まず顧客に対し、運用の目的、どの程度のリスクが取れるのか、どれくらいのリターンを目指すのかなどを確認するためのヒアリング診断を行います。

 診断結果から条件を満たすポートフォリオを提案し、顧客が納得すれば、投資一任契約という契約が投資顧問会社と顧客の間で結ばれます。
 その後、資金が投資顧問会社へ預けられると、運用担当者(いわゆるファンドマネージャー)が契約に基づき、株式や債券、ファンドなどの投資対象及びその配分を決め、投資を実行します。投資開始から定期的に投資顧問会社は運用状況を顧客へ報告します。

 なお、15年前に証券会社が証券業務と投資一任業務を兼業することが法的に認められた結果、証券会社が上記のサービスを多数の投資家に対し、一律に提供できるようになりました。それが今で言う「ラップ口座」です。
 通常、投資顧問会社は、少数の富裕層顧客を相手に個別にサービス提供を行うのが一般的ですが、証券会社が顧客資産の管理をシステム化するとともに、組織力を活かし、

「ラップ口座」として多数の顧客に対し、大規模にサービス提供するようになりました。
 ロボアドバイザーは、投資顧問会社としてのサービスですが、その中でもインターネットを使い、多数の顧客に対し、一律にサービス提供をするものなので、ラップ口座のネット版と言えます。