各国中央銀行が数年ぶりの金融緩和路線。その背景は?
貿易摩擦の影響は各国の中央銀行の政策にも反映されてきています。下表のように5~6月に世界の中央銀行は数年ぶりの緩和路線に動き始めています。
貿易摩擦の影響によって景気の下振れリスクは高まっていますが、貿易摩擦が激化する前から中国経済の減速という懸念材料はありました。従って貿易摩擦が解消されれば、世界景気は上向くとは必ずしも言い切れない部分もあることにも留意する必要があります。中央銀行が利下げに動き始めた国を見ると、中国経済と関係が深い国が多いことは、そのことも物語っているのかもしれません。
ドル/円は、メキシコへの制裁関税見送りのニュースと米利下げ期待による株価上昇によって円安に動いていますが、1ドル=107円台からの戻りの勢いは米国株と比べると鈍い状況です(5月値幅の約25%弱)。ドル/円は、FRBが利下げをしても解消されないものは残ることを感じ取っているための値動きなのかもしれません。
5~6月の各国中央銀行の金融緩和政策
日時 | 金融政策 | |
5月 | 7日 | マレーシア中央銀行が3年ぶりの利下げ |
8日 | ニュージーランド中銀が2年半ぶりの利下げ | |
9日 | フィリピン中央銀行が6年半ぶりの利下げ | |
6月 | 4日 | パウエルFRB議長が利下げを示唆 |
オーストラリア中央銀行が3年ぶりの利下げ | ||
6日 | インド中央銀行が3回連続利下げ |