先週の結果
先週は、短期のリバウンド、米利下げ期待でNYダウにツレ高
米国市場で、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が利下げを示唆したことで、NYダウが急反発し、4日で900ドル強の上昇となりました。そのため日経平均も6月5日(火)から大幅反発に転じ、7日(金)は+110円の2万884円となりました。NYダウの上昇のわりに日経平均の上昇率が低いのは、為替が円高基調となっているためです。FRBの利下げ観測は米国株式にとってプラスでも、日本にとっては日米金利差縮小の思惑で円が買われやすくなるため、日経平均の上値は重たくなります。
3日:先週末の米国市場では、米中貿易摩擦の激化、長期化見通しに加え、トランプ大統領のメキシコからの輸入品全部に5%の課税を発表したことで、NYダウは▲354ドルの2万4,815ドルと急落。これを受けて日経平均は▲273円で寄り付き、一時▲295円の2万305円まで下落し、終値では▲190円の2万410円と2万500円割れで4カ月ぶりの安値水準となりました。
4日:朝方は+24円の2万435円で寄り付き、+53円の2万464円と自律反発。しかし、円高進行と上海株式の下落でマイナスに転じ、為替も1ドル=107円台に入ったことで、一時▲121円の2万289円まで下げました。その後は円高一服と日銀のETF買いで▲2円の2万408円で引けました。しかし、引け後の米国市場では、パウエル議長が利下げを示唆したことで、米国株式は全面高となり、NYダウは+512ドルの2万5,332ドルと今年2番目の上昇幅を記録しました。
5日:前日のNYダウ上昇を受けて、日本市場は、+259円の2万667円で寄り付き、2万800円まで上昇し、終値は+367円の2万776円で、予想外の大きなリバウンドになりました。「マド」を大きく空けた上昇であり、目先は底入れとは言えません。売られ過ぎからの買い戻し中心の上昇と言えます。
6日:前日の米国市場は、利下げ期待が続き主要3指標そろって2日続伸ですが、日経平均は▲30円の2万745円で寄り付き、+66円の2万842円まで上昇。しかし、買い手掛かりに乏しく▲2円の2万774円と小幅反落しました。市場ボリュームは減少しており、売買代金は5月30日以来、7日ぶりの2兆円割れとなりました。
7日:前日の米国市場は、メキシコとの協議進展報道で3指標は3日続伸となり、これを受けて日経平均は+85円の2万859円で寄り付き、後場には+135円の2万907円まで上昇して、終値は+110円の2万884円で引けました。見かけはしっかりした動きですが、出来高、売買代金が少ない中の米国株式の上昇にサポートされて、買い戻しによる上昇と思われ、ここからの上値は重くなると思われます。NYダウの上昇が止まればそこまでだと考えられます。
この日の日本市場の引け後の米国市場は、注目の5月雇用統計が市場予想を大きく下回ったことで利下げ観測の確率がさらに高まりました。また、メキシコに対する追加関税の回避が決定したことで、NYダウは+263ドルの2万5,983ドルと5日続伸。そのためシカゴ日経先物も+115円の2万1,035円と2万1,000円台を回復しています。