継続企業の前提に関する「重要事象」や「注記」が記された会社は、記されていない会社よりも倒産リスクが高いのは事実です。でも、投資してはいけないわけではありません。どんな点に注意すべきでしょうか?

復習:継続企業の前提に関する「重要事象等」や「注記」とは?

 前回のコラムにて、『継続企業の前提に関する「重要事象等」と「注記」について』お話ししました。少し復習しておくと、これらの記載がある会社は、他の会社に比べて倒産リスクが高くなっています。

 そして、継続企業の前提に関する「重要事象等」が記されている会社より、継続企業の前提に関する「注記」が記されている会社の方が、倒産リスクがより高いといえます。

『会社四季報』の各企業ページには、該当の場合その旨の記載があり、末尾には継続企業の前提に関する重要事象等や、注記が記されている会社のリストが掲載されています。

「倒産リスクが高い=投資してはいけない」というわけではない

 では、これらの会社は絶対に投資対象にすべきではないかといえば、そんなことはありません。実際、筆者も重要事象等や注記が記されている会社の株に投資したことがあります。

 もちろん、注意することなくやみくもに手を出すことはリスクが高いです。倒産リスクは高いので、会社の財務状況などをチェックして、自分自身でよく確認しておく必要があります。

『会社四季報』などから筆者が注意している6つのポイント

 ◯自己資本比率が低くないか

 ◯現金同等物に比べて有利子負債が多くないか

 ◯営業キャッシュ・フローがマイナスでないか

 ◯累積損失(利益剰余金がマイナス)がないか

 ◯債務超過でないか

 ◯赤字が3年以上続いていないか

 これらに該当する数が多いほど、倒産リスクが高いと判断し、その銘柄への投資は慎重にします。

 注記がついた会社だと、上記に該当する数が多い傾向にありますが、重要事象等の記された会社の場合は、それほどでもないケースもあります。個人的には、「重要事象等が記されるまでもないと思うのだけれど」と感じる会社もあります。