時価総額で世界トップ10に名を連ねるメガテック企業、中国のテンセント。SNSで急成長したことから、テンセントを「中国のフェイスブック」と呼ぶ人もいます。しかし、テンセントを知れば知るほどフェイスブックとの違いが際立ってきます。
目的としてのSNSか、手段としてのSNSか
フェイスブックもテンセントも、誰もが簡単かつ無料で利用できるSNSサービスを提供しています。では、両社の違いは何か。それは、事業展開する上でSNSをどのように位置付けているかを理解することによって見えてきます。
フェイスブックは、SNSで強固なコミュニティ基盤を築くという目的に特化して、広告で稼ぐというビジネスを展開しています。対して、テンセントは、SNSを起点にしながらも、ゲームや動画・音楽などのデジタルコンテンツ、決済などの金融サービス、AIによる医療や自動運転、クラウドコンピューティング、オンラインとオフラインを融合させるOMO(Online Merges Offline)店舗、広告など、その事業領域は多岐にわたっています。テンセントは、SNS事業を「テクノロジーの総合百貨店」になる手段として位置付けているのです。
テンセントは「コミュニケーション・プラットフォーム」の会社
田中 道昭
競争戦略アナリスト
立教大学ビジネススクール(大学院ビジネスデザイン研究科)教授。シカゴ大学経営大学院MBA。専門は企業戦略&マーケティング戦略及びミッション・マネジメント&リーダーシップ。上場企業取締役や経営コンサルタントも務める。主な著書に『アマゾンが描く2022年の世界』『2022年の次世代自動車産業』(PHPビジネス新書)、『「ミッション」は武器になる あなたの働き方を変える5つのレッスン』(NHK出版新書)、『GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略』(日本経済新聞出版社)など。
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