2度目:結婚して最初の子どもが産まれるまでの期間

 次の「貯め時」「増やし時」は、結婚をしてから子どもが産まれるまでの間です。

 子どもが産まれると確実に生活コストは増えます。2人ではなく3人家族になるのですから当然です。自分たちが使っていた予算をある程度は減らして、子どもに回しますが、貯蓄余力が下がることは避けられません。

 一方で、「将来の学費準備を考えるともっと貯めていきたい」という苦しい時期がスタートします。おめでた婚(できちゃった婚)で、結婚後すぐに子どもが産まれる場合でなければ、結婚後の数年間はガッチリ貯めまくる時代にしてほしいと思います。新婚時期だし少しぐらい贅沢を…と思う気持ちも分かりますが、この時期に生活コストを上げてしまうと、後から生活水準を下げるのがとても辛くなります。旅行などの臨時出費に贅沢は抑えて、できるだけ「貯め時」を活かしてみてください。

 投資もこの時期に行っておけば、子育て期間中のリスクコントロールも配慮できるようになり、無理のない投資金額設定(一部は預貯金などで残しておく)も行えるでしょう。

3度目:子どもがみんな社会人になり定年退職までの期間

最後の「貯め時」「増やし時」は、子どもが社会人になって卒業する間です。

 中学3年生あたりから大学の卒業まではお金がかかり続ける時期で、貯めるどころか切り崩し(計画的切り崩しならいいが、予定外の切り崩しやローン設定となることもある)を余儀なくされる時期になります。子どもが2人以上の場合、ダブル大学生になる数年間は相当苦しいことになります。

 卒業してくれてほっとしたとき、学費に回していた予算をそのまま貯めて増やす予算にシフトできると、一気に老後の財政基盤が膨らみます。しかし緊張が解けたこともあり、旅行などの大型出費に回してしまうことがしばしばです。

 50代であれば「今使うより15年後に使う」と考えてみましょう。今旅行に使うのも、リタイア後に使うのも同じですが、使う「時期」をずらすだけで、自由時間がたくさんある老後の楽しみが増やせます。この貯め時増やし時を活用し、自分の老後の自由時間を充実する予算にしてみてください。

 この世代はまだまだ投資にチャレンジしてもいい年代なので、投資を活かして資産の成長を狙ってもいいでしょう。アベノミクスレベルの上昇相場に一度乗れるだけでも、資金増はかなりはかどることでしょう。ただし、リタイア前に投資から一部の資金を退場させることを考えておくことも必要です。

 逆に、おひとりさま(単身生活)やDINKS(夫婦2人共稼ぎ)の場合、「子どもの卒業」のような区切りがないため、始めるチャンスが見つけにくい問題もあります。できるだけ早い段階から貯めて、投資をすることで豊かな老後に備えるのが近道です。