あなたの人生に「貯め時」「増やし時」が何回あるでしょうか?

 資産運用を考えるとき、あなたが「運用の原資」をどう作り出すかは重要なテーマです。そして、運用原資を捻出するチャンスは人生にそう何度もあるわけではありません。

 今回は、資産運用に臨む前段階で「いかに多くの運用原資を確保するか」というテーマについて話してみたいと思います。つまり「貯め時」や「増やし時」があるというテーマです。

「貯め時」や「増やし時」はある意味、家計にちょっぴり余裕がある時期でもあります。しかし、気がつかずに浪費し続けていると、10年後に振り返った時「あのとき、貯めておけばよかった!」となるわけです。

「貯め時」は、投資に若干のリソースをかけて集中することもできる「増やし時」でもあります。例えば子育てに忙しい時期や、受験の前後にできる投資は限定的になります。学費資金はむしろリスクを落としておきたいところで、運用面でもインデックスベースにしておかないと管理の手間が必要になるからです。それでは人生に3回ほどある(かもしれない)「貯め時」「増やし時」を考えてみましょう。

1度目:独身時代を楽しんでいる期間

 最初の「貯め時」「増やし時」は、社会人になってから独身時代の間です。最近では、初婚平均年齢がおおよそ30歳といわれているので、一般的には20代ということになります。

「20代なんて貯める余裕ないよ」という声が聞こえてきそうですが、20代に貯められる収支のバランスを身につけておくことが一生の財産になります。そして結婚前に貯められたお金は投資資金にもなるし、結婚時の資金や結婚後の安心を作る財産となることでしょう。

 もちろん結婚が遅くなった場合、30代にしっかり貯めておくことは、その後の結婚生活での出費を支える大きな資産になります。婚期に関わらず、まずは貯めてみてください。

 そしてその資金は一部を投資へ回し、少額から投資経験を積みたいところです。長く投資をしたほうが経済成長の回復を待つチャンスが生まれるし、若いうちに何度か騰落(とうらく)を経験することも大きな宝となります。