投資を途中で止めるリスクとは?絶対的に有利な商品はない!

――リスクコントロールと聞くと、響きだけですごく難しい印象があります。どのようにコントロールするのですか?

中桐 リスクには2つあると考えています。みなさんが一番気にする、価格が変動するリスクは避けて通ることはできませんが、実は、投資を途中でやめてしまうことも大きなリスクです。投資経験が少ないお客さまが、まとまったお金を株式に投じたケースを見ると、株価が1割下がっただけで慌てて売って投資そのものを止めてしまうことがある。3,000万円投資して1割下がると300万円の含み損ですから気持ちは分かりますが、多少のリスクには動じる必要はありません。

  そこで私は、途中でやめてしまうリスクを抑えるために、資産運用を一任するラップ口座を活用して、長期保有ができる環境をつくることをお勧めしています。その間にお客さまが投資を学ぶ場も設けています。

山崎 先ほど横山さんが「大金から始めず少額から。金額でリスクコントロールしている」と話していましたが、確かにリスクの大きさを、リスク資産の金額で調整する方法はシンプルです。投資に対する理解度、資産の状況など、自分の状況に照らし合わせてコントロールすればいいでしょう。

横山 お客さまに接している現場感で言うと、普通の人に短期投資は難し過ぎる。やはり積み立てを利用した長期分散投資しか、リスクを抑える方法はありませんね。

山崎 金融庁はつみたてNISA向けの商品として、159本(他にETF3本、18年10月31日時点)の投資信託を指定しています。金融庁の説明では「長期投資に向いた商品投資信託」ということですが、逆に「短期投資に向いた投資信託」があるのかというと、そんなことはない、ということを知っておくべきです。長期に向かない商品は、短期でもダメなのです。