金融株に最近値下がりが目立つのは、世界的な金利低下が原因
みずほFGによる6,800億円の損失発表は、同社の株価にほとんど影響を与えなかったと考えられます。ただし、同社も含め、金融株全般に、最近、軟調です。それは、世界景気減速を受けた世界的な金利低下を嫌気したものと考えられます。
日米英独の長期(10年)金利推移:2018年10月1日~2019年3月12日
金利低下が続くと、銀行の利ざや(貸出金利と預金金利の差)が低下し、収益が悪化するのは、日本だけでなく、世界中の金融機関で共通です。金利低下によって、足元、世界的に金融株が売られる流れが続いています。
銀行株の投資判断
最初に結論を申し上げます。
【1】 私は、3メガ銀行<三菱UFJ FG(8306)、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)>の長期的な投資価値は高いと判断しています。
【2】3メガ銀行の投資魅力に順位をつけると、1番が三菱UFJ、2番が三井住友FG、3番がみずほFGと判断しています。
3メガ銀行は、収益低下が続く国内商業銀行業務だけでなく、ユニバーサルバンク経営(信託・証券・リースなどへの多角化)、海外展開(米国やアジアの銀行への出資)でも収益を稼いでいます。多角化が進んでいる三菱、三井住友の投資魅力は高いと考えています。国内商業銀行への依存が相対的に高いみずほFGの投資魅力が3番目です。
【3】3メガ銀行以外の銀行株は、保有すべきでないと考えています。
特に、地方銀行は、今のままでは将来、大半が本業で赤字におちいる懸念があり、投資は避けた方がよいと考えています。ゆうちょ銀行(7182)も、現時点で、投資魅力が低いと判断しています。