FOMCが経済指標をどう判断するか?
次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)は3月19~20日に開催されます。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、既に利上げの停止や資産縮小の年内停止について発言していますが、これがFOMCの声明文や金利見通しで明確に示されるかどうかが注目されます。
前回のFOMCメンバーの金利見通しでは、2019年では2回の利上げが中央値となっていますが、パウエル議長が利上げ停止に触れている中で、どのような見通しが出るか注目です。なぜなら、中央値で今年の利上げがゼロではなく、1回の利上げになれば、マーケットの期待とのギャップが生じ、株式市場を揺さぶる可能性があるからです。
パウエル議長は先日、12月の金利見通しの公表が株式市場に影響を与えたことを憂慮し、FOMCメンバーによるこの見通し方法を見直すことを示唆しています。どのような方法になるのか分かりませんが、利上げ停止をどのようにマーケットに伝えるかに注視する必要があります。
現在の株高は、利上げの停止と資産縮小の年内停止への期待から起こっているため、うまくマーケットとコミュニケーションが取れなければ、株式市場のしっぺ返しを食らうかもしれません。
そして、景気についての判断も注目点となります。
パウエル議長は2月の議会証言で、米国は良好としつつも、中国や欧州の経済減速や英国のEU(欧州連合)離脱問題などの相反するシグナルが出ているとしていますが、今回の声明文で、小売売上高や雇用統計の状況を踏まえても米国は良好との認識を変えないのかどうかが注目されます。
もし、強気の姿勢が変わらないのであれば、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が大幅に引き下げた経済見通しとは対照的になり、ユーロ売り・ドル買いの材料になるかもしれません。