ユーロ/ドル:ECBもドラギ総裁も弱気。ユーロは約2年ぶり安値

 ユーロは全面安。ECBがこの日の理事会で、新たな追加緩和策(TLTRO:目的型長期流動性オペ)導入の発表と同時に、予定されていた利上げ時期を延期、また経済見通しも下方修正したことを受けて、ユーロは大きく売られました。

 1.13ドル台前半で取引されていたユーロ/ドルは、今年の安値(1.1231ドル)をあっさり通り抜けてNY時間午後には1.1175ドルまで下落。1.1200ドルという2017年6月からの強力なサポート水準をブレークしたことは重要で、マーケットはユーロに対して弱気に傾きました。次のレベルは、1.1125ドル、1.1075ドル、1.0975ドル。

 126円半ばで取引されていたユーロ/円は、NY時間も下げが続き124.67円まで下落。123.75円から124.25円がサポートになっています。その下はフラッシュクラッシュ後の安値123.39円。

 ECBはこの日の会合で、政策金利を0.0%に据え置き、同時にTLTRO(ティーエルトロ)の導入を発表しました。TLTROとは貸出先を絞った長期資金供給オペのことで、ECBが用いる主要な金融緩和策。

 さらに利上げ時期をこれまでの「今年の夏頃」から「年末までに」と先延べしたこと。利上げ見送りとTLRTOで金融政策を強烈な緩和方向にシフトしたECBにマーケットはショックを受けたわけです。

 確かに、イタリアの財政問題やフランスのデモが経済に悪影響を与え、米欧貿易摩擦はドイツの自動車産業にとっては深刻な問題となっています。

 とはいえ、お先真っ暗というわけではなく、今週発表されたPMI(製造業購買担当者景気指数)改定値や小売売上高は底打ちのサインも見えます。マーケットが悲観に傾いているぶん、ユーロにとって良い材料に敏感に反応しやすい状況だともいえます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
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◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
​また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。