<アスリートとしての顔>イニエスタ、日本2年目の挑戦。ピッチ外に見据えるゴールとは?

2018年5月。ヴィッセル神戸から発表されたアンドレス・イニエスタ加入の知らせは、サッカー界のみならず、日本全体に大きな衝撃を与えた。それは、彼がJリーグデビューを飾った7月22日の湘南ベルマーレ戦以降の戦いを見れば一目瞭然だ。ホーム、アウェイ戦に関わらず、彼の行く先々でチケットは完売し、その一挙手一投足には常に多くの注目が集まった。
あれから約半年。年が明け、イニエスタは日本での2シーズン目をスタートさせた。昨年との大きな違いを挙げるとするならば、同じチームにFCバルセロナ時代のチームメイトであり、スペイン代表時代には共にW杯優勝を経験したFWダビド・ビジャが在籍していることだろう。
公私において親交の深いビジャについて、イニエスタは「毎シーズンのようにゴールを重ねている、心強いゴールゲッター」と信頼を寄せ、その加入を喜んでいる。
心強いゴールゲッター。ダビド・ビジャに対する想い
「彼はクラブチームでも、スペイン代表でも長年にわたって関わってきた、気心の知れた仲間の一人です。その彼が側にいてくれるのはとても喜ばしいことですが、ピッチではそれ以上に心強さを感じています。なぜなら彼は長いキャリアの間、ずっとゴールを決めてきた偉大な選手だからです。
しかも久しぶりに彼のプレーを間近で見ましたが、そのクオリティは以前と何ら変わっていません。その事実はチームにとって、とても心強いことだと思います。
また、個人的にも新たな人生の扉を開いたこの日本の地で、再び彼と同じピッチで、同じユニフォームを着て戦えることをとても嬉しく感じています。今後もこの時間が長く充実したものになることを願っています」

もちろん、旧知の仲間との再会を喜ぶだけではなく、日本でのチャレンジを『成功』へと導くためにも、クラブが掲げる『アジアナンバーワン』という目標の実現に強い使命を感じている。特に、シーズン途中の加入となった昨年とは違い、今年はプレシーズンから仲間と時間を共有し、J1リーグ開幕に向けた準備を進めてきただけになおさらだ。
「今シーズン、僕たちが目指しているのは、チャンスにつながるポゼッション率を高め、できるだけ長い時間を自分たちがコントロールしながらゲームを支配できるチームになることです。そうしたスタイルがしっかり構築できれば、リーグ戦で上位争いをすることは可能だと考えています。
しかも僕たちには昨年、短い期間ではありましたが、ファンマ(リージョ監督)のサッカー感を共有する時間を過ごせたというアドバンテージがあります。それをベースにシーズンを戦いながら、いろんなものを積み上げ、チームとしてできるだけ波のないパフォーマンスを示していくことができれば、それは結果や順位にも直結していくのではないかと思っています。
と同時に、そうしたチームとしての結果を求めるために、また応援してくださる皆さんがスタジアムに来て、素晴らしい時間を過ごせるように、今年は僕のベストバージョンのプレーをお見せしたいと思っています」
