輸出統計、1月の予想上振れも減速圧力続く

 税関総署の最新統計によると、中国の1月の輸出は米ドル建てで前年同月比9.1%増と、市場予想から大きく上振れ、前月の同4.4%減からプラスに転じた。輸入は1.5%減と、これも前月の7.6%減から改善。人民元建てでは、輸出が13.9%増(前月は0.2%増)、輸入が2.9%増(同3.1%減)と、いずれもプラス成長を確保した。ただ、BOCIはこの好調は続かないとの見方。理由として、需要の萎縮傾向や生産者物価の鈍化、米中通商摩擦を取り巻く不透明感、前年実績の高さなどを指摘し、19年通年では、輸入が前年比4%、輸入が3.5%の伸びにとどまると予測している。

 1月の輸出の好調について、BOCIは旧正月休暇前の駆け込み出荷という季節要因を指摘している(19年の旧正月は2月5日、18年は2月16日)。ただ、こうした駆け込み効果は2月には縮小する見込み。実際、製造業PMI(購買担当者景気指数)の新規輸出受注指数をはじめとする先行指標は不況レベルにある。米中通商摩擦を受けたビジネス信頼度の後退やグローバル経済の段階的な減速を背景に、中国の輸出は依然下押し圧力に直面している。

 相手国別に見ると、対米輸出は引き続き低調であり、18年12月の前年同月比3.5%減に続き、19年1月は2.4%減(18年通年では前年比11.3%増)。ただ、米中協議が続く中、マーケットでは対米摩擦の一段の悪化懸念が後退しており、米国側が90日間の猶予期間を延長するとの期待も大きい。米国は18年12月1日、年間輸入額2,000億米ドル相当の中国製品に対する追加制裁関税の発動(関税率を10%から25%に引き上げ)を90日にわたって猶予することで合意しており、本来であれば、その期限は3月1日となっている。一方、対米以外の1月の輸出を見ると、対EUは15.3%増(18年通年では前年比9.8%増)。ほかに台湾、韓国向けが13.3%増、14.4%増と好調だった。その半面、日本向け、香港向けはそれぞれ7.2%、8.2%減少。対ASEANは12.5%増加したものの、18年通年の14.2%増から減速傾向を見せた。

 このほか、1月の輸出の特徴は労働集約型のテキスタイルやバッグ、玩具がそれぞれ前年同月比14.6%増、16.2%増、32%増を記録するなど好調だったこと。対照的にハイテク製品輸出は1月に1.8%増と、18年の11.9%増から大きく鈍化した。

 一方、1月には輸入も予想以上の底固さを見せたが、BOCIはこの先の減速圧力を指摘している。生産者物価のデフレリスクの高まりや国内経済の減速が理由だ。製品別では、中国政府が米国に輸入拡大を約束したことで農産物の輸入が増加。中でも12月に前年同月比20%落ち込んだ穀物の輸入が20.6%増と急回復した。ただ、川上の原材料輸入は低調で、鉄鉱石と鋼材の輸入量はそれぞれ9.1%減、1%減(18年にはいずれも前年比1%減)。銅輸入量の伸びも8.2%増(同12.4%増)と減速傾向を示した。