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本レポートに掲載した銘柄
村田製作所
1.2019年3月期3Qは、3%増収、90%営業増益
村田製作所の2019年3月期3Q(2018年10-12月期)は、売上高4,276億1,400万円(前年比3.4%増)、営業利益856億2,800万円(同89.8%増)となりました。
製品別売上高を見ると、コンデンサが通信向けを除く幅広い用途で増加したため、前年比24.8%増となりました(表2)。一方、圧電製品は同17.5%減、その他コンポーネント(ソニーから買収した電池部門が含まれる)は同5.9%減、通信モジュール(樹脂多層基板「メトロサーク」が含まれる)は同1.5%減とおのおの減収になりました。北米、韓国、中国のスマートフォン市場が変調した影響が出ました。
用途別売上高でも、最も大きい通信向けが前年比7.7%減、AV向けが同10.4%減となりました。ただし、コンピュータ及び関連機器向けは同28.9%増、カーエレクトロニクス向けは23.8%増と好調を維持しました。
この結果、全社売上高は前年比3.4%増となり、今1Q、2Qから大きく伸びが鈍化しました。11月からの北米、中国などのスマートフォン市場の変調を反映する売上動向となりました。
一方、今3Qの営業損益は大きく改善しました。この要因は、今期から減価償却方法を定率法から定額法に変更したことにより減価償却費が減少したこと(減価償却費は前3Q397億6,400万円から今3Q322億9,200万円へ減少)、樹脂多層基板「メトロサーク」(樹脂製の極薄フレキシブル基板で、この上に各種電子部品を実装する)が黒字転換したと思われること(メトロサークが含まれる「モジュール」の事業損益は、前3Q156億7,500万円の赤字から今3Q139億6,000万円の黒字になった)、コンデンサの増収による営業利益増加です。これらがコンデンサ以外の部品の減収によるマイナス要因を吸収して大幅増益になりました。