本日の注目通貨
ドル/円:失速、110円台へ下落
東京時間に111.13円まで上げて昨年末以来の高値を更新したドル/円は、そこがピークでNY時間に大きく下落。
この日発表された米国の12月小売売上高が前月から1.8%も落ち込む悪い結果だったことが理由ですが、今回ついてはブラックフライデーの反動や米政府機関の閉鎖など一時的要因も大きく、米景気減速と決めつけるのはまだ早いでしょう。今後のデータを見る必要があります。
今週のドル/円は、米中貿易交渉の円満決着の期待で盛り上がってきましたが、良いニュースはすでに十分プライスに織り込まれてしまいました。これ以上は交渉結果の内容を見るしかありません。ただ、期待が大きい分、良い結果がでて当然、悪いかった時は、ドル安方向の調整余地が増えそうです。
さらに、米中協議は双方にまだ大きな隔たりがあり、進展していないという気になるニュースもでてきています。トランプ大統領には、2020年の大統領選に向けてできるだけ早く外交で得点を稼ごうとする焦りもあるようで、それを見透かした中国政府側が交渉をじらそうしているのかもしれません。
ドル/円の次のターゲットは111.50円。トレンドライン的にも重要レベルにさしかかっていて、100日移動平均(111.69円)、200日移動平均(111.28円)がすぐ上を走っていてます。109.50円を下抜けると今回のドル上げはいったん中止になる可能性があります。
ユーロ/円:125円キープできず
ユーロ/円は弱く推移。125.44円をトップにドル/円の下げもあって124.74円まで下落。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は米国のインフレ率が低迷していることを理由に利上げを中止して、それがドル安のきっかけになったのですが、ドイツのインフレ率の落ち込みは米国どころではないというデータが出ています。1月CPI(消費者物価指数)は前月比▲0.8%に落ち込み、また10-12月期の成長率は予想を下回りました。ユーロのリーダーであるドイツ経済がこれでは、ドルがだめでもユーロを買う積極的な理由もなく、それがユーロ低迷の原因になっています。