海外事業の拡大が続くファーストリテイリング(9983)。特に中国ビジネスが好調に推移しており、中国で収益の土台を築きあげた数少ない日系企業として評価できます。予想PER29.3倍(2019年2月7日時点、アイフィスコンセンサス予想)は海外の成長性を織り込んだ水準と考えられますが(ニトリは22.7倍、良品計画は19.3倍)、相場全体の下落や天候不順といった一時的な悪材料で売られた局面では、投資妙味が出る銘柄です。

 

1.波に乗る中国ビジネス

 同社の中国ビジネスは大規模です。下の表にあるように、中国の展開店舗数は、ファストファッション「H&M」などを展開するスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(以下、H&M)や「ZARA」などを展開するスペインのインドゥストリア・デ・ディセニョ・テクスティル(以下、INDITEX)と互角以上の規模になっています。

海外ユニクロ事業の店舗数はH&M、INDITEXと互角以上

-各社の中国事業の状況-

銘柄名 ファースト
リテイリン
グ(注)
ニトリHD 良品計画 H&M INDITEX
証券コード・
ティッカー
9983 9843 7453 HMB ITX
決算期 2018年
8月期
2018年
2月期
2018年
2月期
2018年
11月期
2018年
1月期
売上高/
営業収益
346,873 6,200 67,174 - -
店舗数 633 24 229 530 593
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
注:ファーストリテイリングの売上高/営業収益には、海外ユニクロ事業以外のブランドも含む

 

 同社の中国事業は、初めから順調だったわけではありません。当初はユニクロの廉価版を訴求する戦略でしたが、苦戦する部分があったようです。しかし、日本のユニクロで育った中国出身の潘(パン)氏が舵を取り、日本並みの品質の商品を販売し始めたことによって、消費者の間でポジティブな口コミが広がるようになりました。人材育成にも注力し、新卒で人材を採用し、その人材が育っています。店を任せることができる人材の成長によって、スピーディな出店拡大も実現できています。

 店舗数だけではなく利益も拡大しています。中国大陸に加えて香港、台湾も含めた「グレーターチャイナ」で見ると、営業利益は増収率以上に増加傾向にあります。同エリアの営業利益率は、2016年8月期:11.0%→2017年8月期:14.5%→2018年8月期:16.8%と上昇傾向にあり、国内ユニクロ事業の営業利益率13.8%(2018年8月期)を上回る水準となっています。