本日の注目通貨

ドル/円:米雇用統計は概ね良好。ドル/円109円台半ばまで上昇

 金曜日のドル/円は、東京時間に108.73円まで下げた後しばらく同水準でもみ合いが続きました。ところが米雇用統計の発表後にドル買いの勢いが一気に強まると109円台に乗って109.58円まで上伸。この日発表の製造業ISMも予想、前回分を上回る好結果で米経済の不安払拭(ふっしょく)に一役買いました。

 米1月雇用統計は,NFP(非農業部門雇用者数)が30.4万人と、予想(16.5万人)を大きく上回りました。12月の雇用者は31.2万人から22.2万人に下方修正されましたが、それでも直近2カ月の増加平均は26.3万人に上り、雇用拡大が健全なペースで進んでいることを確認しました。

 一方、失業率は4.0%に上昇(悪化)。平均労働賃金は前月比+0.1%(予想+0.3%)、前年比+3.2%(前回+3.3%)にそれぞれ低下。とはいえ、全体としては米労働市場のトレンドは依然力強いというのが印象です。

 1月雇用統計では貿易戦争や米政府機関一部閉鎖というマイナス要因があるにもかかわらず、雇用者が増加しているため、FOMC(米連邦公開市場委員会)がハト派的(利上げ慎重)姿勢を改めるのではないかという期待もあるようです。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)にとって重要なのはインフレ率。賃金に強い上昇圧力が見られない状態では、FRBは今しばらく「忍耐強く」あり続けるでしょう。

 株式市場には、米指標は好調でしかも利上げはないというのは良い事ですが、ドルにとっては中期的な下落要因になります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ユーロ/ドル:もみ合い

 金曜日のユーロ/ドルはもみ合い。米雇用統計に対する反応も一時的で1.1434ドルから1.1488ドルまでの比較的狭いレンジ内での取引でした。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成