10年以上、むしろ大きく下がっている時期に積立投資を続けてみよう
個人投資家にとって「もうけた経験」「損した経験」を早めに、できれば少額でしておくことが重要ですが、もうひとつ経験値として欲しいのは「下がったけど持ち続けてプラスに戻った」という経験です。
積立投資や長期投資は、理念としては正しくてもなかなか実行する勇気が持てないかもしれません。かくいう私もITバブル直前のピークで買った投資信託の値下がり時には、含み損が消えるまで持ち続けることができませんでした。
それでも3~4年はがんばってみたのですが、元本に戻りきらないところで手放してしまいました。その後に基準価額が回復したことを知り、手放さなければ良かったと再確認しました。
この経験は、リーマン・ショック時、値下がりをまったく気にせず積立投資を続ける原動力となりました。実際、私のiDeCo口座はリーマン・ショックやサブプライム・ローン問題の頃を乗り越えていますが、どんなに下がっていても投資信託の購入を継続しました。おかげさまで、年率換算利回りは今でも5%以上をキープしていますが、株価が下がっているときに積立投資を続けていればこその成功体験なのです。
皆さんもぜひ、このあとの株価が下がろうとも、積立投資を継続し、「含み損を抱えたけれど、回復まで粘った」という経験を今回してみてほしいと思います。
下がっているときこそ「売らない」「積立を続ける」ことで投資と向き合ってみよう
あなたがもし、経済はいつか回復すると信じられるのなら、5年ではなく10年スパン積立投資を信じて継続してみてください(経済の回復を信じられない人はそもそも投資するべきではないので、さっさと手じまいして証券口座は閉じてしまうことをお勧めします)。
といっても、あなたが毎月一定額を、所定の日付で、iDeCo、つみたてNISA、積立投資信託などを設定しているのであれば、特に何もしなくても大丈夫です。何も変更せずにそのまま積立投資を続けてみてください。
「今は安全資産に逃げて、株価が下がり切って、回復が感じられるようになったら投資を再スタートしよう」と考えると、おそらく損切りした株価水準より高いところでリスタートすることになります。人は臆病だから判断は遅めになりますし、面倒な手間がかかることは先送りしてしまうものだからです。
それなら何もしないほうがよかったことになります。また、回復までの数年間、安値で買い増すチャンスも逃したことになります。何もしないことは結果として「マイナスで売らない」ことと「投資を続ける」ことを、ただ続けていくことにつながります。
結論は、しっかり考えた上で「何もせずそのまま」です。考えに考えて頭が整理され、続けることに自信を持つことができたら、ドッシリかまえておきましょう。
きっと10年後あるいは20年後には笑って、過去の含み益を眺められる日がきますよ!