政治イベントの注目点は?
今年の注目点を解説します。
1:米中貿易協議
最大の注目は3月1日が交渉期限となる米中貿易協議です。昨年後半からの株価急落や経済への悪影響を考慮して米中とも市場を静めるために何らかの妥協点を探るのか、あるいは通商交渉に名を借りた覇権争いであるため、両国とも一歩も引かないのかどうか注目です。
特にトランプ米大統領は来年の大統領選挙の再選を目指しているため、選挙に有利に働くような大きな果実が得られなければ、強気の姿勢を貫く可能性もありそうです。また、交渉期限までの間も両国からのけん制球がひんぱんに投げられることが予想されるため目が離せません。
2:日米通商協議
日米の通商協議も1月から始まります。米中貿易協議がうまくいかない場合、米国内のアピールを目的に日本に対して強硬姿勢に出てくる可能性があります。また、為替水準への言及や為替条項に対して触れてきた場合、円高に働く可能性もあり、注目しておく必要があります。
3:ブレグジット(英国のEU離脱)
いよいよ3月29日がやってきます。英国がEUを離脱するのかどうか注目です。その前にEU離脱合意案が英国議会で承認されなければなりません。採決日は1月15日前後と言われていますが、再延期の可能性もあるようです。15日前後はポンドが大荒れし、ポンド/円にドル/円も上下に振らされる可能性があるため、注意が必要です。
4:消費増税
10月に予定されている日本の消費増税実施は、政治的に判断されるため政治イベントとしてとらえます。対策が取られているとはいえ、実施されれば「駆け込み需要増→反動減→消費萎縮で景気後退」と従来のパターンで消費は萎縮し、景気後退が予想されます。さらに、もし世界景気後退が鮮明になっているにもかかわらず、経済環境を考慮せず増税実施が政治的に判断された場合、日本の景気は相当影響を受けるかもしれません。
5:欧州の政局リスク
欧州の政局リスクは2019年も要注意です。イタリアの財政問題、ドイツの政局混乱、フランスの政局不安定、ポピュリズムの再台頭と、問題山積みですが、今のところは大きな問題とはなっていません。しかし、5月の欧州議会選挙で極右やポピュリズム政党の台頭が目立つ結果になれば、欧州全体の政局は、反EUや移民排斥で一気に揺れるかもしれません。欧州政局リスクは今年も目が離せません。
6:北朝鮮リスク、中東リスク
北朝鮮リスクや中東リスクは、今のところ注目されていませんが、これらの地域の動向は常に注視する必要があります。4月9日にはイスラエル総選挙が行われます。まだ話題に上っていませんが、選挙結果によっては中東への影響が懸念されます。また、原油が40ドルを切るなど、さらに下落した場合は、中東諸国の結束が乱れるかもしれません。