「石油製品」投資で覚えておきたい注意点!

石油製品の商品に投資をする際に覚えておきたいのは、言葉の定義です。例えば、「石油」「原油」「ガソリン」、これらの3つは似ていますが同じ意味ではありません。

出所:筆者作成

「石油」とは、化石燃料を使用する状況において、液体およびその液体由来の製品の総称です(液体=精製前の原油、液体由来の製品=原油を精製して取り出される石油製品)。液体の化石燃料の総称を石油だとすれば、固体の化石燃料の総称は石炭、気体は天然ガスといえます。
 
「原油」は地中から掘り出した液体の化石燃料。粘度が高ければ手を加えて液体にして精製できる状態にします。石油製品は、ガソリンや灯油、ジェット燃料などの、末端の消費者が目的に応じてそのまま使用できる原油を精製して得られたものです。
 
「ガソリン」は石油製品の一つ。なじみ深いこの製品に着目した場合、特に北半球の先進国におけるドライブシーズン(春から夏にかけて)中や、ドライブシーズン前に石油業者がガソリンを前もって購入する動きが目立つ時期に世界的に消費が伸び、その結果、価格が上昇するのではないか? という連想が働きやすくなります。

 ここで注意しなければならないのは、ガソリンをはじめとした石油製品は、図のとおり、「原油」が原料である点です。産油国の増産などで「原油相場」が上昇しにくい局面にある場合、「石油製品」の価格も連動して上昇しにくくなります。主従関係で言えば、原料である原油が「主」で、製品であるガソリンは「従」となります。つまり、ガソリンなどの石油製品の価格動向は、「原油相場」に強く影響を受ける点に注意が必要です。