人気ブログ『吊られた男の投資ブログ(インデックス投資)』を運営する吊ら男さんインタビューの後編をお届けします。今回はインデックス投資を始めるときの注意点、長く続けるコツ、さらにはご自身の今後についても伺いました。
損の許容範囲をよく考えて投資額を決めること
──前回、長期的視点で投資しているので目先のことにはとらわれないとおっしゃいました。ということは現時点での評価額も気にならない?

もちろん、全く気にならないといったらウソになります。でも、毎日各ファンドの値動きをチェックは、全くしていません。そもそも証券会社の口座にアクセスすることも滅多にないですし。年4回、全体の評価額を計算しますが、それもブログで公表するためにしているようなものです。
──新聞やニュースで「世界同時株安」などと騒がれると不安になりませんか。
自分の資産も目減りしたんだろうなとは思いますよ(笑)。でも、一時的に下がっても、いずれは上昇に転じるだろうという思いがあるので、不安に苛まれるといったことはないですね。
──長い目で見れば世界経済は成長し続ける。長期保有していれば上がっていくはずだと?
そう、だから一喜一憂することはありません。
──実際のところ、投資元本を割ったことはあるのですか。
最初の5年間はマイナスでした。私は2007年に投資を始めたわけですが、その翌年リーマンショックに見舞われましたからね。最大6割近くやられました。
──当時、新婚ですよね。奥様は何と?
まだ投資を始めたばかりで元本も少なかったし、それに生活費を投資に回していたわけではないので、とやかく言われることはなかったですね。私自身もあまり深刻には考えませんでした。
──でも、5年間マイナスだと、そろそろ見切りをつけようかなどと考えませんか。
いや、それはないですね。このままずっと下がりっぱなしということはいくら何でもないだろう。いずれ上向くだろうと思っていましたし。
──ちなみに今、大暴落して元本を割るようなことがあったらどうでしょう?
始めた頃とは金額が違いますから、そりゃあ多少は落ち込むでしょうね(笑)。でも、何度も言うように普段のキャッシュフローには困っていないので、そこまで絶望的にはならないと思います。仮に全額失っても家族4人、普通に暮らしていけますし。
──そういう意味では手持ちのお金のどれくらいを投資に当てるかはけっこう大事なポイントですね。
それは投資を始めるときによく検討すべきでしょう。私はどれくらいの損なら受け入れられるかをよく考え、その範囲内に留めることをすすめます。インデックス投資はリスクが少ないとはいえ、一時的には大きなマイナスを強いられることもあります。自分の損の許容範囲に留めておけば、ある程度マイナスになっても心の平静を保つことができます。
反対に何も考えずに大金を投じたりすると、少しでも値が下がると不安でたまらなくなり、挙げ句、売却してしまうということになりかねません。

──どこまで損を受け入れられるかと言われてもなかなか難しいと思うのですが。
まあ、その人の性格などにもよりますからね。ただ、ひとつ言えるのはあまり強気に考えないことです。例えば500万円までなら平気と思っている人でも、200万円、300万円損すると案外いてもたってもいられなくなるものです。そういう意味では自分が大丈夫と思う金額の6割くらいにしておくのがベターかもしれません。