ユーロ/ドル:ドイツ経済に暗雲
イタリア予算問題がせっかく解決へと向かい始めたのに、ユーロ/ドルは下落。高値は7営業日ぶりに1ユーロ=1.14ドルに届かず、1.13ドルを割るとNY時間には1.1278ドルまで下げました。ユーロ/円は、ユーロ/ドルが下げるなかで、なんとか128円台に残ろうと頑張っている状況(チャート2・3)。
ユーロが売られているのは、ドルが買われているせいと言うこともできますが、もうひとつは、欧州のリーダーであるドイツ経済の先行きに不安がでてきたからです。
先週発表された重要な景気指数であるドイツの製造業PMI(=購買担当者指数。民間調査会社・Markitが毎月発表す景気指数)は4年ぶりの低水準に落ち込み、IFO企業景況感指数(ドイツのIfo経済研究所が発表する、景況感についての調査結果)も予想を下回りました。
またトランプ大統領は、来週にも輸入自動車に対して25%の関税をかけると発表していますが、実施ということになれば自動車産業に対する依存度の高いドイツ経済にとっては大きな問題。
ドイツばかりではなく欧州全体の景気に投資家が疑問を持ちはじめるなかで、ECB(欧州中央銀行)は12月の会合で、見通しに対する表現を、これまでの「リスクはバランスしている」から、「リスクは下向き」に後退させるのではないかという観測まで浮上しています。ドラギECB(欧州中央銀行)総裁も「大規模な緩和政策が依然として必要」と慎重姿勢ですが、かといって、12月に終了予定の債券買い入れプログラムを延長するほどではないようです。
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!
28日:パウエルFRB議長発言、カーニーBOE総裁発言 など
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2017年は、「晴れ」89日、「雨」90日、「くもり」80日でした。